バセドウ病とは
バセドウ病とは、甲状腺機能の働きが活発になり、甲状腺ホルモンの過剰な分泌を伴う病気です。
甲状腺機能亢進症の代表疾患であり、人口1,000人あたり2~6人に見られます。
新陳代謝が過度に活発になり、甲状腺の腫れや頻脈、イライラ、眼球突出などの症状が引き起こされます。
男女比は1:5と明らかに女性に多く、特に20~30代での発症が目立ちます。
バセドウ病の原因
バセドウ病は、免疫システムの異常によって抗体がつくられ、自己の甲状腺が攻撃されるために発症します。
なぜ免疫システムに異常が起こるのか、はっきりしたことは分かっていません。
現在のところ、遺伝的要因、ストレス、過労、妊娠・出産などの因子が複雑に絡み合い、発症するのではないかと言われています。
バセドウ病の症状
バセドウ病では、主に以下のような症状が見られます。すべての症状が現れるわけではなく、症例によって違いが見られます。
- 甲状腺の腫れ
- 頻脈(脈が速くなる)
- イライラ
- 集中力の低下
- 眼球突出動悸
- 多汗、暑がり
- 寝つきの悪さ
- 手のふるえ、筋力低下
- 食欲亢進、体重減少
- 微熱
- 骨がもろくなる(二次性骨粗しょう症)など
バセドウ病の検査
血液検査
血液検査にて、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモン(FT4・FT3)を調べます。
必要に応じて、TRAb(抗TSHレセプター抗体)・TSAb(甲状腺刺激抗体)についても測定します。
超音波検査
首に検査用のゼリーを塗り、超音波を当てることで、甲状腺の大きさや形、腫瘍の有無などを調べます。バセドウ病の場合は、甲状腺が大きくなっていることが予想されます。
被ばくは一切ありませんので、妊娠中の方でも安心して受けられます。痛みもありません。
※超音波検査は実施日が決まっております。ご希望の方は一度お電話にてご相談ください。
日常生活の注意点
お薬を忘れずに飲んでください
処方したお薬は、用法用量をお守りいただき、飲み忘れのないようにお願いします。数日間の内服忘れで、バセドウ病が急激に悪化するおそれがあります。
副作用は、皮膚のかゆみ、発疹など軽いものがほとんどです。高熱、のどの痛み、その他強い副作用が現れた時には、受診をしてください。
規則正しい生活を送り、十分に睡眠をとってください
生活リズムの乱れ、睡眠不足などによって、症状が悪化することがあります。特に、ストレスを溜めないようにしてください。
仕事・運動では無理をしないようにしてください
仕事、運動などは可能ですが、精神的・身体的ストレスが大きくならないようにしてください。
少なくとも甲状腺ホルモンの値が高い間は、仕事を減らす・時短勤務する、激しい運動を控え散歩程度にする等の調整が必要です。
喫煙・アルコールについて
喫煙者は、非喫煙者と比べて、眼球突出が起こりやすい・バセドウ病の治りが良くないと言われています。
できる限り、禁煙をしてください。アルコールは、ほどほどにしてください。
海藻類について
「ヨウ素が多いから」と海藻類を制限する人がいますが、普通に食べる分には問題ありません。
過度な摂り過ぎにならないようにだけ、ご注意ください。