- 生活習慣病とは?分かりやすく解説
- 生活習慣病を引き起こす原因と病気の種類
- 生活習慣病はどれも初期症状がない?
- 糖尿病
- 肥満症(メタボリックシンドローム)
- 高血圧
- 脂質異常症(高脂血症)
- 高尿酸血症(痛風)
生活習慣病とは?
分かりやすく解説
暴飲暴食・偏食/過食・過剰な飲酒・日常的な喫煙・運動不足など、生活習慣の乱れによって引き起こされる様々な病気のことを総称して生活習慣病と呼び、あくまで総称であり疾患名ではないことを理解しておきましょう。主な疾患として糖尿病・動脈硬化・脂質異常症・高血圧症などがあります。生活習慣病とは関係のない健康的な生活を送っている方も、一度は耳にしたことのある疾患かもしれません。これらの生活習慣病は日本人の三大死因と呼ばれている心疾患・脳血管疾患・がんの要因とされています。
生活習慣病を引き起こす原因と
病気の種類
食生活
- 糖尿病
- 肥満
- 高血圧
- 動脈硬化
- 脂質異常症(高脂血症)
- 痛風(高尿酸血症)
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 脂肪肝
など
喫煙
- 高血圧
- 脂質異常症(高脂血症)
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 狭心症
- がん
- 肺気腫
など
運動
- 肥満
- 高血圧
- 脂質異常症(高脂血症)
など
飲酒
- 糖尿病
- 脂肪肝
- 肝硬変
- がん
など
生活習慣病は
どれも初期症状がない?
生活習慣病には様々な疾患があり、それぞれ特徴的な症状があるものの、全てに共通して初期症状(自覚症状)が見られないという特徴があります。
初期症状が見られないために知らない内に症状が悪化して身体は傷つき、気付いた時には様々な疾患を引き起こしているということがほとんどです。
特に高血圧症や糖尿病などの生活習慣病は、合併症を引き起こしてから症状が現れるということも多く、病気が発覚した時にはすぐに治療を開始しなければならないということも珍しくありません。
学校や自治体、職場で行われる健康診断を受けることで血糖値や血圧などを把握できますので、定期的な検査を受けて生活習慣病の早期発見や予防を行うことが大切です。
糖尿病
糖尿病には遺伝や体質などの先天的な原因が主とされる1型糖尿病と、生活習慣と体質を原因とした2型糖尿病があります。
1型糖尿病は自己免疫によるβ細胞の破壊や、すい臓の機能障害などによってインスリンの分泌がほとんどない状態になることで引き起こされます。一方、2型糖尿病はインスリンの分泌が少なくなったり、インスリンの働きが低下することで発症する疾患です。
生活習慣病として現れる糖尿病は、一般的に2型糖尿病になります。
症状としては倦怠感や急な体重の減少、多尿、多飲、口の渇きなどが代表的です。
食事療法や運動療法の他に、内服薬による治療やインスリンを使用して治療を行います。
継続的に治療を行うことで合併症を予防し、通常の日常生活を送ることが可能になります。
肥満症
(メタボリックシンドローム)
肥満症とは体に脂肪が溜まっている「肥満」の状態が続き、それを原因として健康に害を及ぼしている状態のことを指します。生活習慣病である脂質異常症や糖尿病、高血圧症を引き起こす要因となるため、治療が必要です。運動療法や食事療法の他に、既に生活習慣病を患っている場合は並行して薬物療法などを行いながら、肥満解消のためにダイエットを行います。
一方メタボリックシンドロームは、中性脂肪の値が高い・HDLコレステロール値が低い・高血糖・高血圧のいずれか2つに該当し、お腹周りが女性90cm以上、男性85cm以上である状態を指します。生活習慣病の疾患がなくても脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高くなるため注意が必要です。
高血圧
拡張期血圧が90mmHg以上もしくは収縮期血圧が140mmHg以上の数値を、何度も血圧測定で確認できる状態のことを指します。高血圧症の9割以上が「本態性高血圧症」と呼ばれるもので、高血圧に至っている理由が分からないとされています。生活習慣病の中でも一番多い疾患であり、体質や遺伝的な要素が原因となることもありますが、喫煙や過度な飲酒、運動不足や肥満、食生活の乱れなどが原因となることもあります。高血圧が続くと動脈硬化を引き起こし、脳卒中や腎硬化症、心筋梗塞などの発症リスクが高まります。自覚症状がほとんど見られない疾患ですので、定期的に検診を行い早期発見・治療が大切になります。
脂質異常症(高脂血症)
HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少している状態、あるいはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と中性脂肪(トリグリセライド)が増加している状態のことを脂質異常症と呼びます。LDLコレステロールは一定数を超えると血管壁に溜まり、血栓の原因となるプラークを発生させ、動脈硬化を進行させる働きがあります。また、中性脂肪も数値が高くなり過ぎると血流の阻害や糖尿病発症の原因となったり、急性すい炎を引き起こすリスクが高くなるため注意が必要です。自覚症状がほとんど見られないため、症状が進行した状態で見つかることも珍しくありません。治療では食事療法や運動療法、内服薬による脂質のコントロールを行います。
高尿酸血症(痛風)
高尿酸値症は、7.0mg/dl以上の尿酸値が血中で確認できる状態のことを指します。肉や魚の他に魚卵や鶏卵、ビールを筆頭としたアルコール飲料などに多く含有されている「プリン体」と呼ばれる物質が、尿酸を生み出す主な原因です。プリン体自体は体内でも作られており、細胞の核を担う重要な物質ですが、高尿酸の状態が長く続いてしまうと尿酸が結晶化して様々な症状を引き起こします。症状としては結晶化した尿酸が関節や皮下組織に沈着することで痛風結節を形成する他、腎臓に癒着することで腎機能の阻害に繋がる痛風腎、関節内に留まることで発生する痛風発作などがあります。食事療法や運動療法、薬物療法などで治療するのが一般的です。