睡眠外来
睡眠外来では、睡眠についてのお悩みがある方を専門に診療します。
睡眠時無呼吸症候群を中心に、病気の早期発見・早期治療を目指します。
また当院では、各種睡眠薬の処方にも対応しております。
寝つきが悪い、夜中に目が覚める、異様に早く目が覚める、熟睡感がない、夜間にいびき・無呼吸がある、日中の激しい眠気など、睡眠にかかわる症状にお困りの方は、お気軽に当院の睡眠外来にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠中の症状
- 夜中に何度も目が覚める
- いびきをかいていると指摘された
- 無呼吸になっていると指摘された
- 苦しくなって目が覚めることがある、寝汗をかく
起床時の症状
- 口の中が渇いている
- 頭痛がする
- 熟睡感がない
- ベッドからすぐに出られない
- 身体が重い感じがする
日中の症状
- 抗いがたい眠気に襲われる、居眠りをする
- 何度もあくびが出る
- 集中力、注意力の低下
- 疲れが抜けない、疲れやすい
不眠症の分類
不眠症とは、夜に眠れない、何度も目が覚めるといったことから、日中の強い眠気、集中力・注意力の低下などが起こり、日常生活に支障をきたしている状態を指します。
不眠症には、以下のようにいくつかのタイプがあります。
入眠障害
ベッドに入ってからも、30分~1時間程度眠れず、苦痛を感じるタイプです。
緊張している場合など、1日きりのことであればほとんど心配はいりません。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚める、目が覚めてからなかなか寝付けないといったタイプです。
中高年の方によく見られます。また、睡眠時無呼吸症候群が原因になっているケースも少なくありません。
早朝覚醒
予定しているよりも2時間以上、早く目が覚めてしまい、その後二度寝ができないタイプです。
高齢者によく見られます。また、うつ病が原因になっていることもあります。
熟眠障害
十分な睡眠時間をとれたのに、熟睡した感じがないというタイプです。
他のタイプの不眠症と混在しているケース、睡眠時無呼吸症候群が原因になっているケースが少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に繰り返し無呼吸が起こる病気です。多くの場合、いびきを伴います。
睡眠の質が悪くなることで、日中の強い眠気、集中力・注意力の低下といった症状が引き起こされます。また、放置していることで狭心症や心筋梗塞などの発症リスクが高くなると言われています。
ここで言う「無呼吸」とは、10秒以上の呼吸停止です。1時間あたり5回以上、または7時間あたり30回以上の無呼吸が認められる場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、肥満、アデノイド・扁桃肥大、骨格の問題、舌が大きいといったことで、気道が閉塞されることにあります。
睡眠時無呼吸症候群の種類
閉塞型
肥満、アデノイド・扁桃肥大、骨格の問題(下顎が小さい等)、舌が大きいといったことで気道が塞がれ、発症するタイプです。もっとも多いのが、この閉塞型です。
中枢型
ストレス、脳疾患、神経系の異常などによって呼吸が正しくコントロールされないために発症するタイプです。気道の閉塞はありません。
混合型
閉塞型と中枢型の両方が混合しているタイプです。それぞれに対する治療・対応が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群の検査には、簡易検査と精密検査があります。
簡易検査では、専用の検査装置を装着し、ご自宅で普段通りに眠っていただきます。呼吸状態、心拍数、酸素飽和度などを調べます。
重症度をより正確に把握する必要がある場合などは、精密検査を行います。簡易検査の項目に加え、脳波などについてより詳しく調べます。ご自宅で、または入院して受ける検査です。
睡眠時無呼吸症候群の治療
マスクを通して空気を送り込む「CPAP」療法が中心となります。月に1回通院していただきながら、毎晩CPAPを装着していただきます。初めは違和感がありますが、ほとんどの方が慣れ、以前より質の良い睡眠をとることができています。正しく使用できれば、即効性の高い治療と言えるでしょう。
また、肥満のある方には、適性体重までの減量を目指した食事療法・運動療法を行います。その他、歯科で特殊なマウスピースを作り下あごの位置を調整するスプリント療法、扁桃・アデノイドの切除などが有効になる場合もあります。
CPAPによって症状を抑えながら、根本的な原因にアプローチすることが大切です。
心のお悩みで不眠の方もご来院ください
当院では、不眠症の原因に応じた各治療を行っております。
ストレスなどが原因で不眠症になっているという方には、以下のようなお薬の処方、睡眠環境改善・生活習慣の指導などを行います。
GABA受容体作動薬
脳の興奮を抑制するGABA(神経伝達物質)の働きを促進するお薬です。脳全体を休めることで、不眠を改善します。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬と、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分けられます。
メラトニン受容体作動薬
体内時計を調整したり、睡眠・覚醒のリズムを調整したりする「メラトニン」というホルモンに着目したお薬です。
メラトニン受容体作動薬の内服により、体内時計や睡眠・覚醒のリズムを調整し、不眠を改善します。
オレキシン受容体拮抗薬
覚醒を維持する「オレキシン」という脳内物質に着目したお薬です。
オレキシン受容体作動薬の内服によって、オレキシンの働きを抑制することで、不眠を改善します。